

説明の上手な人と、あまり上手ではない人っているよね?

せやな。
一番のポイントは「聞き手のことを考えているか?」になると思うけどな。

確かに、そうだね。
情報が正確でも、大量過ぎると…みたいなところもあるしね。

悪い例を教えてもいいんやけど、今日は具体的に注意するポイントと「良い例」を教えようかの。

わかった。
よろしく頼むよ。

まずは「比較」やな。
相手のイメージしやすいモノを考えて、そのイメージと「比較」させるのよな。

なるほどね。
確かに比較すると、具体的に分かりやすいね。

「別のモノ」でもえぇねんけど、時間軸をずらして「過去のモノ」と比較させてもえぇのよな。

昔と今を比べて…みたいな感じか。
確かに多いね。

そんな感じで、要点を押さえて伝えるのが大事なんよ。
つまりは「伝えることを絞る」ってのも大事やな。

長い話は…別に正しいわけではないもんね。
相手や時間に合わせて、必要なことや重要なことを「絞る」ってことは大切だね。

長々と余計なことも含めて「正しく」話すことは、正直2流の伝え方やな。
そのためにも、まずは「相手の理解力」を知る必要があるのよ。

「要点を絞る」ということは、確かに「相手が分からないところ」を理解しないとできないね。
正確にすべて話そうとする人もいるけど、やっぱりただ話が長いだけになるしね。

結局のところ主語が「自分」なのか「相手」なのかによるわな。
この辺りを注意して聞くと、説明が1流かどうかわかるで。

そうだね。
他には、どんなポイントがあるかな?

「類比」って知っとるか?
相手の前提知識を把握して、必要に応じて使うんやけど。

例えば、どんな感じ?

難しい話を、相手の知っているモノを用いて理解させるってことやな。
「投げ銭」って現代の言葉やけど、昔の人は「おひねり」って感じやろ?

なるほどね。
専門用語とかも、分かりやすい様に伝えるのは「類比」が有効そう。

そうなんよな。
「比較」と「類比」は似とるけど、ちょっと違うんよな。

「具体的に説明する」って話だと、やっぱり「数字」って大事になるよね?
ぼくも意識して使って入るけどさ。

説得力を持たすには、実は数字は2つ以上使うことが大事なんよ。

2つ以上?
どういう意味?

例えばあるシステムのエラーが、1年間に3件起きたとするやろ?
これは多いのか少ないのかは、お前ならどう評価する?

3件でしょ?
そりゃ…少ないんじゃない?

めったに動かないシステムで、年に10件しか処理しないとしてもか?

それは…多いじゃない?
だって30%ミスでしょ?

こうやって数字が1つだと、判断がしにくいのよな。
せやから2つ以上の数字を入れてやって、分かりやすく設計してやるんよ。

なるほど…。
これが3,000件の処理で3件なら0.1%だから、確かに見え方も違うね。

「数字」は、2つ以上が鉄則やな。

あとは、分かりやすい「図」とか「グラフ」とかも有効な気がするな。

そうやな。
ビジュアルにすれば、長い文章や説明も省けることもあるわな。

でも、僕はPowerPoint使うの苦手なんだよな…。

まぁデザインにこだわるのは、本末転倒になりがちや。
あくまでも「伝える」ってことに、重きを置く必要があるで?

そうだね。
そう考えると、伝える「時間」ってのも大事だね。

情報をまとめる「時間」もそうやし、伝える「時間」も意識する必要はあるわな。
特に「伝える」に関しては、相手がいるわけやしな。

短いに越したことはないけど、限られた時間内に対応することは大切だよね。
「時間=命」って考え方も、少なからずあるしね。

時間を意識すると、相手に「伝える順番」ってのも重要になってくるわな。
限られた時間の中で「自分の話したいこと」を優先するのは、やっぱりナンセンスやわ。

「相手の聞きたいこと」を、優先すべきだもんね。

これは世の中の「結論ファースト」に対して、疑問を呈してる部分もあるよな?

ん?
そうかな?

相手が知りたいのは、必ずしも「結論」やないかもしれんやろ?
「理由」や「プロセス」を相手が欲しているなら、それを優先せなあかんやろ?

確かに…。
結論ファーストも、場合によるのか…。

相手ありきのことやから、説明は生き物やねん。
常に相手を意識して、その場その場の最適解を出したいところやな。

一番の基本は「聞き手のことを考えているか?」だもんね。
ぼくも、もう少しこの辺りを意識していくよ。

うむうむ。
