

世の中の「人手不足」って止まらないよね…。

せやな。日本では出生率がある時期から著しく下がっているから、働く人が減るのは仕方のないことやな。
もう決まった未来やから、それは仕方ないな。

採用の立場からすると…。
採用難易度はどんどん上がっていくんだよねぇ…。

まぁ…そういうことになるな。

これから大変だなぁ…。
思い切って採用しないとか…まぁそんなの夢物語か。

いや、別にそんな事ないんちゃう?

いやいや。
人がいなかったら会社は成り立たないじゃない?

そう勝手にお前が考えてるだけで、別に『採用がそこまで大事じゃない』かもしれんやんか?

そうかなぁ?

お前「ドリルじゃなくて穴が欲しい」って話は知ってるか?

え?
…なんか聞いたことあるような。

この根本は『手段の提案じゃなくて目的達成のサポートをする』っていう視点があると、自分は思ってんねんけど?

うわ…。
また難しそうな…。

なんも難しくないわ。
相手が「ドリルが欲しい」って言ってきたとして、そのままドリル渡したらただのアホやってことで。

えぇー。
だってドリル欲しいんでしょう?

前に「相手が欲しいものをそのまま売る仕事」は『販売』やって教えたやろ?

あぁ…そうだね。
「相手のいらないものを相手に気づかせて必要だと思わせる」のが『営業』みたいな話だったっけ?

それと根本は結局一緒や。

確かに似てるね。

相手に「サービスの必要性を想像させて、金銭の支払いに合意させる」ことが出来れば、別にドリルなんていらんのよ。

でも、ドリルがないと穴が開けられないじゃない?

それが「何も考えてない」ってことや。

うぅ…。

仮にお前がドリルメーカーの営業だとしても、「お客さんにドリルを提供」=「高いドリル売りたい」みたいな精神でいるのが良くないねん。

…会社にとっては、高い商品(利益率も含めて)を売った方がいいんじゃないの?

お客さんは「一回ちょっと使うだけで…」って思うてるんやったら、高いも安いもそもそもドリルを買いたくないはずやろ?

まぁ…そうだけど。

そしたら「なんでドリルいるんですか?」って発想が出てくるはずやろ?

そうだね。

ほんで、よく聞いてみたら「ドリルなんて必要ない」ってこともあるやんか?

…ちょっと難しいなぁ。

お前の仕事に例えてみぃ?
「採用せなあかん」ってのがドリルや。欲しいのは穴やろ?

うん。

そしたら『人を採用しないでも課題が解決できる方法』っていうのは別にあるかもしれんやろ?
外注するなり、設備導入するなり、人事異動するなり…。

あぁ…そういう意味ね。

「何を達成したいか」っていう『目的』を明確にしないうちに、ただの『手段』で悩むのはもったいないことやで。

悩むのは『目的』で『手段』で悩まない…。
そうか。以前にも聞いた『山登り』の話と一緒なんだ。

そうや。山頂って『目的』に対して登り方っちゅう『手段』は一つやない。正解もない。
…自分の話はこうやって話してると、同じものがやっぱり多いの。

そうだね。
確かに一回だけ聞いたっきり…っていうのは少ないかも。

もともと面倒やから…。
あまりたくさんのことを覚えたくないねん。

そうなの?
意外だね。

包丁で言うと、手元に一本だけあって『使いかたの技術で何とかしていきたい』っていうタイプやねん。
用途に合わせて包丁を変えるの面倒くさいやろ?

なるほど!
それは分かりやすい!

なるべく少ない知識をあちこちに当てはめた方が効率がえぇやろ?

自分もそうなれるといいけど…。

…まだまだ途上やろ?
精進せなあかんな。

…そうだね。
