~説明とは『文脈』を伝えること~

組織・ビジネス
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TOMO
TOMO

お前の昔の資料って…めちゃくちゃやなぁ。

ワタシ
ワタシ

やっぱりそっか…。

自分にはデザインのセンスがないというかさ…。

TOMO
TOMO

…まぁそれもあるんやけど、大事なことを完全に見落としているプレゼン資料やねん。

ワタシ
ワタシ

そうかなぁ?

内容を端的にまとめるのに、結構時間かけた記憶がある資料なんだけど?

TOMO
TOMO

あぁ…その端的が問題なんよ。

『感情が失われるほどの端的』は、なるべく避けたほうがえぇで。

ワタシ
ワタシ

感情が失われる端的?

…全然意味が分かんないよ。

TOMO
TOMO

「結論から喋れ」みたいな感じで、普段は結論ベースで話を進めることって多いよな?

ワタシ
ワタシ

うん。

それが間違ってるってこと?

TOMO
TOMO

いや、それは別に悪いわけじゃない。

結論がなくだらだらしゃべる奴も評価は低いで。

ワタシ
ワタシ

うーんと…。

やっぱりよく分からないんだけど?

TOMO
TOMO

自分はよく山登りに例えるんやけど…。

ワタシ
ワタシ

山登り?

TOMO
TOMO

「山頂に到達する」っていう目標を達成するためには、実に様々なプロセスを経るわけよ。

ワタシ
ワタシ

プロセスねぇ…。

TOMO
TOMO

どんな経路で行くか、どんな装備をするか、どんな困難があったか、労力をどれだけ費やしたか…みたいなことや。

ワタシ
ワタシ

なるほど。

それが今回の話と何か関係があるの?

TOMO
TOMO

人によって、山頂への到達方法は千差万別やろ?

ワタシ
ワタシ

うん。

確かにそうだね。

TOMO
TOMO

今回の資料を見ていると山頂についたってことは分かるけど…。

そこに至るまで「どんな考えが費やされた」のか、「費やされた時間はどれぐらいだった」のか、「結論の根拠は選択しなかった選択肢」は…みたいなところ抜けてるやん?

ワタシ
ワタシ

うーん。まだよく分からないけど…。

確かにあんまりそういうのは書いてないと思うかな。内容を端的にするためにね。

TOMO
TOMO

それがよくないのよ。

山登りで言うと「もう選択しなかったルート」だったり、「持っていかなかった装備」だったり、「今回登るべきではないと判断された山々」だったりが自分には見えてるのか見えてないのか相手に伝わらんのよ。

ワタシ
ワタシ

それって…伝えなきゃいけないの?

TOMO
TOMO

人は「物語」で話を聞いてんねん。

その物語が見えへん話は、あんまりしっくりこうへんのよ。

ワタシ
ワタシ

へぇー。

そうなんだ。

TOMO
TOMO

例えば「一杯1,000円のラーメン」ってお前どう思う?

ワタシ
ワタシ

うーん…。

ちょっと高いかなぁ…みたいな。

TOMO
TOMO

でも、その店主さんのラーメンへの想いだったり、ラーメンを作るまでに費やされた時間だったり、こだわりつくされた材料だったり…。

っていう風な話を聞いた後やと、その1,000円って価値が少し変わってくると思わんか?

ワタシ
ワタシ

あぁ~実際そういうのあるかも。

ただ「1,000円」って言われるのと、テレビとかで生い立ちや想いを聞いた後だと価値観は変わるかもね。

TOMO
TOMO

そういうことや。

相手は『結論』だけ知りたいんちゃう。『物語』を知りたいのよ。

ワタシ
ワタシ

でもさ、そんなの全部話したり資料にしたら…。

めちゃくちゃ長くなるよ?

TOMO
TOMO

そこを必要なところに絞って構成していくのが大切なんよ。

だらだらとしゃべっていても伝わらんしな。

ワタシ
ワタシ

うーん…。

取捨選択は難しいなぁ…。

TOMO
TOMO

この考え方に正解はないで。「状況」や「対象」に応じて、当然変えていかなあかん部分も多い。

一方で「なんでも結論から話す」とか「端的にする」っていうのは全て正解ちゃう。そんな味気ないものが、人の心を打つと限らないんよ。

ワタシ
ワタシ

そっかぁ…。

結論ファーストの徹底は、ちょっと無機質過ぎたんだね。

TOMO
TOMO

同じ山を登るんやったら、そのプロセスは人それぞれでえぇと思うんよ。

一方で、そのプロセスを「自分はしっかりと道筋を立てて歩いてきたんだ」って相手に伝えてあげて欲しいのぉ。

ワタシ
ワタシ

そっかぁ。

わかったよ。

TOMO
TOMO

『説明とは文脈を伝えること』やねん。

ストーリーのない話に人はついてこうへんって思っとけばえぇ。