

面接をしている中で「私はこの仕事ができます」っていう説明をする人の話が、最近なんかしっくりこないことが増えてきた気がするんだよね。

…お前にも、ついにその時期が来たんやな。

え?
そういうのが、あるんだ。

ある程度キャリアを積んでくると「説明する側と聞いてる側のイメージのズレ」ってのが、どうしても出てくるもんや。

…一体、何が原因なんだろう。

それはな、スキルを「道具」やのに「目的」と勘違いしていることに原因があるんよ。

最初から難しいなぁ…。
正直、意味があんまり分からない。

大事なことはな、スキルはただの道具やってことやで。
裏を返せば「スキルがある」ってことが、「何かができる」ってこととイコールじゃないっていうのを理解しておかないといけないんや。

…ごめん、もうちょっと具体的に教えて。

たとえば「動画編集ができます」「簿記の資格があります」「パワーポイントで資料が作れます」っていうのは、そのスキルがあるってことやろ?

うん。
よく聞くし、言いがちな内容だよね。

たださっきも言ったけど、「スキルがある = 仕事ができる」ってことではないんよ。

うーん…。
まだちょっとわかるような、わからないような…。

面接って「その人がその仕事をちゃんとできるか」を見たい場面やろ?
なのに本人からの答えが「このスキルがあります」ばかりやと、目的と手段が結びついてない感じがして、なんか話が噛み合わんのよ。

なるほど…。
そうかもね。

そもそも「仕事」って、いろんなやり方や道筋があるやんか?
企業ごとに違うし、人によっても手段はバラバラやし。

確かに、僕も毎年採用の仕方は変えてるかも。

じゃあ、例えばやけど「YouTubeの登録者を1万人に増やせ」っていう仕事があったとするやん。

うん。

その部署にはいろんな人材がいて「サムネイルを作るのが得意な人」に「台本を作るのが得意な人」、「動画編集が得意な人」…って特化型の人たちがいるわけや。

なるほど。
SNSで発信する人とか、演者とかもかな?

でもそれぞれの人はスキルを持ってるだけで、仕事全体を完結させられるわけじゃないんよ。
例えばサムネイルを作れる人が「Youtubeの登録者1万人にできます!」って言ったら、なんか変やろ?

それは一要素には違いないけど、目標達成には足りてないよね。

せやろ? それが、面接で感じる違和感の正体なんよ。
目的に対して「手段」だけを語ってしまってる人が多いんよな。

そうか…。
そういう意味だったのか。

さっきも言ったけど、仕事の本質は「目的達成」や。
そのためには手段を選んで、組み合わせてやりきる必要があるわけなんよ。

うん。
さっきのYouTubeの話でも、登録者1万人は企業にとっては「採用広報の一環」っていう手段の一つにすぎないかもしれないもんね。

そうそう。
もっと言えば「サムネイルを作れます」とか「SNS発信できます」っていう話は、目的から見ればめっちゃ枝葉の話なんよ。

たしかに。
採用活動ができる人材が欲しいときに「サムネイル作れます」って言われても、そりゃ話かみ合わないわけだ。

せやろ?
つまり「目的に対して小さな手段しか用いたことがない人」は、面接で上手に説明ができないってことなんや。

あぁ…。
だから、「この仕事をやったことがあります」って書かれてても、聞いてみたら「あれ?」ってなるのか。

そういうことやな。
だからそもそも「〇〇ができる」という話には、仕事のピラミッド構造での視点が必要なんや。

ピラミッド構造?

企業側が求めてるのはピラミッドの上の方で動ける人材やのに、話してる内容が下のプレイヤーやとマッチングしないってことや。

なるほどね。
たとえば「採用活動ができる人」が欲しいのに、「サムネイル作れます」とか「SNS投稿できます」って言われたら、うん…確かに違うかも。

そのとおり。
大事なのは資格とかスキルを持ってることじゃなくて、「それを使って何を成し遂げたか」なんよな。

つまり「課題解決」の経験があるかってこと?

そうや。
課題に対して「どんな手段」を考えて「どんなチャレンジ」をして、そして「どうやって乗り越えたか」って話こそが「実際にその仕事をやったことがある」ってことなんよ。

なるほど…。
僕が相手の話を上手く聞けなかったのは、そのイメージがなかったからなんだな。

そうかもしれんな。
でもこれからは意識して、ピラミッドの上から話を聞いていくことが大事になると思うで。

つまり、一番大事なのはピラミッドの「上」なんだね。

そうやな。
本来「資格」っていうのは「目的」のために取るものであって、資格があるからといってその仕事ができるとは限らんのよな。

よくある話だと…「簿記の資格があっても決算処理ができない」みたいな。

そうそう。
だから大事なのは話のステージを揃えて、相手とのコミュニケーションのズレを減らすことやな。

なるほど。
これは…面接でかなり活きてきそうな気がする。

ま、そういうことや。



