

面接してると…。
志望動機ってイロイロあるよね。

せやな。
みんな欲求は人それぞれやからな。

「休み」とか、「残業」とか、「給料」とか、「やりがい」とか…。

新卒の子らは大変やろうな。
イマイチよく分からんのにも関わらず、何かしら希望せなあかんからな。

その点中途採用は本音かどうかは分からないけど…。
『何かしらの理由』を付けて、みんな志望動機を作れるよね。

まぁな。
色々あるやろうけど、それは大きく分けて3つやろな。

3つ?
意外に少ないね?

『存在』、『価値』、『自由』やな。

え?何それ?


まず、『会社そのものが嫌』っていう人は 『存在』欲求を満たしたいはずや。
「自分自身がその場所にいてもいい」という安心感が一番欲しいねん。
『人間関係』とか『社風』とか『自分もできる仕事がある』とか…その辺の理由で退職する人はまさに『存在』欲求を欲してるんやな。

…志望動機はそんな風に抽象化出来るんだ。


次に『価値』欲求は「自分の仕事を適正に評価されてるかどうか」っていう部分や。
そいつらは『公正さ』が欲しいんや。『報酬』とか『昇格』とか『名誉』とかやな。
ただこれらは社内だけに留まらずに『外部との比較』でも生じるねん。

…外部との比較?

自分より出来の悪ーい奴でも、会社が違うと「何で高い給与やねん!」て納得出来ないみたいなことや。
お前の周りにもそんな奴おらんか?

なるほどね…。
自分の会社に期待した昇格がない時には、確かに転職考えるよね…。

なんや?転職するんか?

ち、違うよ!


冗談や 笑
んで、最後に『自由』欲求ってのは『自分自身のやりたいことを実現したい』という欲求や。
仕事で評価され続けてきた人は『やりたくない仕事で評価される』より、『自分がやりたい仕事』で評価されたくなってくるわけやな。

最近多いよね。
『自分のやりたい仕事をやるぜ!』みたいな風潮。

せやろ?
だから大体の順番が『存在』→『価値』→『自由』の順番で欲求が高まっていくねん。
『周りに認められる安心感』の次は『実績とそれに見合った評価』、そして『やりたいことがやりたい』…みたいな流れやな。

そっかぁ…。
自分の欲求はどれかなぁ…?

もちろんどれかだけ満たされればOKの人もおるで。
やりたいことだけの人もいれば、報酬だけ会社に求めとる人もたくさんおるわ。

なんとなく分かるよ。
確かに面接しているとこの辺はみんなあるなぁ…。

学生はこの辺を経験していないから、言葉にするのが難しいやろな。
その点、中途採用の人はある程度見極められれば「どの欲求を欲しているか」が見えやすいわな。

そうだね。
自分はどんな欲求が強いんだろうか…。

…何や?
やっぱり転職するんか?

まさか!
…ちょっと考えただけさ。

あ、一つ注意するとしたら…。
『自由欲求』はハードル高いと思うで。

え?なんで?

『存在』→『価値』→『自由』っていう順番教えたやろ?
『自由』は『存在』と『価値』が下地に必要やねん。
『価値』は実績である程度カバーできる部分があるねんけど、『存在』を認めてもらうためにはある程度時間が必要やで。

…どういうこと?

仮にお前の今の部署に訳のわからん人が、急に『マネージャー』として入ってきたとする。
転職前は横文字の会社で実績も結構あるってのは、自己紹介からなんとなくわかったとして…
そいつがお前の元々の会社のやり方をガラリと変える仕事の仕方を指示してきたら、お前は素直に従えるか?

あー。
…それは少し嫌かな。

その人が『自由欲求』を満たしたくて採用されたとしても、その通り『自由』にやるには、まず影響を受ける人たちからある程度『存在』を認めてもらわなければあかん。
「正しい」とか「間違ってる」とかその辺は抜きにしてな。
本人はバリバリ『自由』にしてるんやろうけど、その状況は誰も幸せにならんよな。

確かにそうだね…。

前の会社で『存在』も『価値』も十分あったんだとしても、それは全て次の会社には引き継げんのよ。
特に『存在』をまた一から作り直す必要があるねん。
実績も凄くて、やりたいこともちゃんとある人ほど「まずは会社に馴染んでもらうように」と人事部がちゃんと伝えること、そして真面目そうな人を選ばんとあかんな。
例えるなら『~~さんに言われたら 仕方ないわぁ』みたいなキャラクターの人材を取らなあかんで。

OK。分かったよ。
新卒にもこの話は出来そうだなぁ。
「先ずは会社に慣れることが大切で、階段を一段ずつ登りながら自己実現を目指して欲しい」みたいな形で!

その調子や。
今日は終わりや。また明日な~。