

若手社員のマインド向上のための研修…なんて課題があるんだけどさ。
現状維持志向の強い若手社員に、能動的に仕事をしてもらうイメージらしいんだ。

人は基本的に「現状維持」を好む傾向にあるんよ。
せやから、その本能を打破させるのは難しいで?

そうだよね…。
僕にそんな才能があれば、良かったんだけどさ。

「才能」はどちらかというと「後天的」なものを指すで?

そうなの?
「先天的」ではないの?

訓練で身につくモノを、人は「才能」と括りがちなんよな。
本来の「才能」のニュアンスは、「新しい力を身に着ける力」とでも表現するのが正しいわ。

そうなんだ。
訓練とか練習とかで、誰でも才能は伸ばせるんだね。

まぁ正しい練習を理解して実践すれば、大体は出来るわ。
キーワードは「限界練習」になるかな。

限界練習?
どう言う意味?

順番に話すで。
まず初めに大事になるのは基本動作を身に着ける「一般練習」と、頭で意識しなくても身体で出来る「反復練習」になるわ。

それは、わかりやすいね。
まぁ「タイパ」を意識している若者は、あんまり好まないらしいけど…。

ただ「一般練習」と「反復練習」は、とても大事なんよ。
この繰り返しが、結果的に才能を定着させるからな。

そうなんだ。
疎かには、出来ないね。

「正しい練習」と表現したのは、自分で「目標」を設定して必要な努力に集中することやねん。
そこが誤っていると、いくら練習しても目標には届かないで。

そうかぁ…。
その意識は、仕事でも大事だね。

仕事においては「上司」の態度が大事になるな。
部下が適切な方向に、適切な速度で進んでいるかをモニタリングする必要があるわ。

「フィードバック」がもらえるかどうかは、モチベーションにも関わるもんね。
「ちゃんと見てもらえている」って感覚は、若手社員には特に必要かも。

そうやっていると、ある程度の仕事が出来るようになるわな。
そうなると必要になるのが「限界的練習」やねん。

さっきも出てきたけど、具体的にはどういう意味なの?

仕事が出来るようになると、自分の居心地の良い「コンフォートゾーン」が出来上がってくんねん。
でも、それ以上の成長を望むなら「あえて」そのコンフォートゾーンを抜け出す必要があるんやな。

それが「現状維持志向」の敵になるわけか…。
居心地の良い場所を捨てるのは、なかなか難しいもんね。

自分のギリギリまで追い込むことと、現状を少しだけ超える目標設定こそが「限界的練習」の本質になるわ。
そのモニタリングを出来る上司の存在が、この場合は必要になるわ。

自分一人だと、なかなか難しそうだもんね…。
フィードバックが間違っていると、間違えた方向に行きそうだし。

課題としては本人の「現状維持志向」が、成長を妨げるということ。
上司の適切なモニタリングとフィードバックがもらえる環境であることが、大切ななんよな。

となると研修としては、若手社員だけでなく管理職にも必要になってきそうだなぁ…。
思ったよりも大事になってきたぞ。

そして、その環境が整ったとしてもまだ課題はあるで。
なんやと思う?

何だろう…。

さっき、他に大事やと言ったことがあるやろ?

「一般練習」と「反復練習」かな?

そうや。
仕組みやマインドが出来上がっても、結果的にそれをモノにするのは個人の努力次第や。

だから自分一人で才能を身に着けるためには、地道な繰り返しが大事なわけね。
「才能」の獲得は、長い道のりだね…。

「先天的」と諦めていたモノが、「後天的」に手に入るんやから喜ばしいことに聞こえがちや。
でも、結局は「長い地道な努力」が必要やから、結果的に「才能」を身に着ける人は多くないんよな。

1回の研修だけで、何とかなる話ではなさそうだなぁ…。
思ったよりも大変そうだ。

目の前の課題は「現状維持志向」の若手社員であることは、間違いないと思うけどな。
でも「上司のモニタリング」や「地道な反復練習」って別の課題も有るから、確かに一筋縄ではいかんわ。

「若手社員が能動的に動けるように」って言葉は、確かにもっともらしいけど…。
その背景にはいくつもの要素が絡んでいるんだなぁ。

まぁ、嘆いていても仕方ないわ。
出来ることから少しずつ手を付けないとな。

わかったよ。



