

お前の会社って…。
確か男女比率が9:1くらいやったっけ?

そうだね。基本的に男社会って感じ。
最近は、女性の採用も少しずつあるけどね。

お前の下も…?

女性だね。
…男女で指導の仕方や接し方って、やっぱり少し違うのかな?

そりゃ、そやろ。
恋愛の本でも買って勉強した方がえぇんちゃうか?

…そんなの家で奥さんに見つかったら、不信感を持たれるでしょ?

…このご時世に、お前は紙の本買うんか?
まぁえぇわ。参考程度には教えたるで。男女の感覚の違いってやつをな。

よろしくお願いします。

先ずは「アドバイス」やな。
部下から相談とかも受けるだろうけども、男性は具体的な論理的アドバイス、女性は寄り添いの姿勢とプロセスの理解が大事や。

うーんと…。
「アドバイス」を求められているのに、女性にはアドバイス的なことはあんまりしなくていいの?

せやな。
女性が相談してくる時は、ある程度自分なりの答えを見つけてきた後の肯定が欲しいってケースも多い。寄り添いの姿勢や、プロセスを話してもらって安心させることが大事や。

男性は結構アドバイスを本当に欲していることが多い感覚だから、そこは違うね。

まぁな。しっかりと意見を肯定しつつ「話を聴く」ってスタンスの方が、部下の女性は安心して相談してくれることが多いわな。
男性上司はアドバイスしたがりも多いんやけど、アドバイスやその実行を強要したりするとストレスを与えるから注意やで。

そうなんだ。
『論理より共感』って感じだね。

まさにその通りや。やっぱり、女性の方が感受性が豊かなことが多いわ。
この辺は進化の過程でどうしてもそうなったという説が有力やから、しっかりと理解してやらなあかん。男性と女性は別の生き物や。

普段の会話でも、違いはやっぱり生まれるのかな?

そうやな。
いわゆる「雑談」も、男性と女性では結構違うかもしれんのぉ。

そうなんだ。
どんな違いなの?

会話において重視されるのは、男性は『情報の交換』に対して女性は『感情の交換』って感じかのぉ。

情報と感情…。
やり取りしているモノが違うんだね。

会話の中で、男性は新しい情報や有益な知識を獲得することを意識している場合が多い。
一方で女性は話の内容よりも、その時自分は「どう感じたか」という感情を共有したいってイメージやな。

つまりは…。
やっぱり男性より女性は、結果よりも過程をしっかり評価してあげることが大事そうだね。

物分かりが今日はずいぶんえぇやん。
男性は成果を褒める、女性は過程を評価するってのが確かに基本や。

そこを結果だけ見てしまうと、女性は「しっかり話を聞いてくれない」ってなりそうだねぇ…。
僕も、気をつけないと。

落ち込んだ女性の部下の接し方も、ちょっと男性とは違うところもあるで。
本来なら上司として、悩みを解決してやりたいところやろ?

そうだねぇ…。
でも話の流れ的にそれはNGっぽいね。むしろ『ちゃんと話を聞いてあげる』って方が大事そうだなぁ。

今日はめちゃくちゃ冴えとるやん!まさにその通りや。
アドバイスはひとまず置いておいて、共感して話を聞いてあげることに重きを置くべきやねん。

男性の部下だと、あまりしないやり方かもね。

もちろんアドバイスを求められた時には、しっかり答えてやらなあかんで。
でも、先ずはしっかりと寄り添って『聴く』ってスタンスが大事やな。

なるほどねぇ…。実際にこう比べてみると全然違うよね。
世代はもちろんだし、性別の差も考えなきゃいけない…。管理職はもっと大変なんだろうな。

まぁ…意識をし始めるとキリが無いけどな。
このくらいやったら、とりあえず理解しておいて損はないと思うで。

そうだねぇ。
今はハラスメントにも厳しいし、しっかりと信頼関係を築きながら仕事をしていかないといけないしね。

せやな。
それで言うと、何かミスとか行き違いがあって「部下に謝るとき」も少し配慮が違うかもしれんわ。

そうなんだ。

男の部下に謝るときに、何か気をつけるか?

いや…あんまり意識しないかな。
「間違ってた!ごめん!」みたいなぐらいで。

まぁそうやろな。
これを女性、特に上司の指示不足やら間違いで迷惑かけて、少し部下が怒っているときには気をつけなあかんのよ。

そ、そうなんだ。全く意識したことなかったなぁ。
でも「ごめん」以外に方法があるの?

謝るのはもちろんやけど、女性が「なぜ怒っているのか」や「何に傷ついているのか」を慮った上で、しっかりと理由を述べなきゃあかんのよ。
これが『誠意』ってやつやな。

うわぁー。
それは考えたことないや。

せやろ?
こんな風に接し方は結構違うから、気持ちよく部下に仕事してもらえる様に上司は職場環境づくりに注力せなあかんな。

そうだね。
時代…なんて言葉で片付けずに、しっかり部下とも向き合わないとね。

今日の話も、「絶対」とは言えん。
一つの参考例としてしっかり把握する一方で、実情に合わせて臨機応変に対応せなあかんで。

うん。
わかったよ。
