

新卒の学生を見る上で「重要視すべきポイント」っていくつかあるじゃない?

まぁな。
新卒を判断するには「こうした方がえぇ」みたいなところはあるわな。

まぁ、「学歴」だとか「成績」だとかっていうのもあるんだけどさ。

まぁあるにはあるけど、ポイントとしてはそこまで大したポイントやないな。

重きを置くとしたら、やっぱり…。

やっぱり?

…やっぱりなんなんだろう?

わからんのかい!

いや、何度か話題に出てきてる「伸びしろ」っぽいところかなぁ…とは思ってるんだけどさ。

そうやな。
『伸びしろ』は大事やな。

でも、どうやって「伸びしろがあるのか?」って感じればいいのかな?
っていうのはちょっと思うよ。

まぁ、確かに履歴書や面接なんかで「伸びしろ」をPRしてくる人材っていうのは、実際多くないからなぁ…。

「どういう風にアピールしてくる人材」に可能性を感じるかな?

そうやなぁ…。
『強み』とか『弱み』を適切に説明できる人間ちゃう?

適切に説明?

あぁ。
「強み」とか「弱み」って『点』で話す奴には、あんまり可能性を感じへんなぁ。

…点?

そうや。
説明は「点」やなくて、『線』ってことや。

…いまいちピンとこないなぁ。

『強み』って、みんな最初からあったわけじゃないやろ?

えっと…どういうこと?

例えば、お前の趣味である「料理」も最初から出来た訳やないやろ?

まぁ、そうだね。

最初は全然出来へんくても、いろんな工夫や努力をした結果で「今」があるわけやな?

確かに、確かに。

そうやって自分の『強み』を表現するには、『過去から今に至るまでの成長のプロセス』を見せるちゅうことを『線』で話す言うねん。

…なるほど。

それを現時点で「○○出来ます」みたいな「点」で話すと…。

うん。

結局、「それがどれくらいなのか」っていうのは、相手には分かりにくいもんやねん。

確かに…。
「昔はこうだったけど、今はこうです」みたいな話のほうが分かりやすいね。

そうや。
だから「強み」を話すときも、「弱み」を話すときも「自分が成長したんだよ」っていう『線』を伝えるイメージで書類を書いたり、面接で説明したり出来るとえぇな。

え?
「弱み」も一緒なの?

そうやで。

…なんか意外だね。

意外も何も、むしろそっちの方が大事やで?
…そうやな。例えば「普通の人」が数字でいう『0』やとして、「お前」が何か苦手なモノがあってそれが『ー3』やとするで。

うん。

ただ自分の弱みは『-3』ですっていう風に話すとどうなる?
普通の人の『0』と比べて『ー3』なんだなぁ…という認識しか出来へんよな?

…確かに。

でも、これが元々は『ー10』だったとするならばどうや?
そこから努力して『ー3』になったって成長のプロセスを見せれば…。

なるほど!
それだと『+7』の印象の方がむしろ強いかも。

そうやろ?
「強み」とか「弱み」を話す時に自分が今「+5」ですとか、「ー2」ですっていう「点」だけの話やなくて、『過去から成長してきて今の数値なんです』っていう風な見せ方をすればえぇねん。

なるほど、なるほど。
それは分かりやすいね。

まぁこういう風に伝えてくれる学生は全然多くないやろな。
これが出来れば、結構目立つと思うけどな。

そうだね。
自分もそんな話を聞くと、その学生を評価しやすいような気がするよ。

いい学生と、出会えるとえぇな。