

どうや?
若手は少し「恥ずかしい」っていう呪縛から解放されたか?

いやぁ…さすがに根が深いから直ぐにって訳にはいかないけど…。
なんとなく僕の話はわかってくれたみたいだよ。

まぁ、それが第一歩やろうな。

みんな悪い子じゃないんだよ。でも…なんかこう…なんて言ったらいいかなぁ。
「頑張るんだけど、頑張り方がイマイチまだ分かってない」というか…。

『頑張り方』か。努力は必ずしも報われるわけじゃないからな…。
まぁ、それも正しく努力出来れば可能性は高められるんやけど…。

なんかその辺はみんな不器用で…と言うか無計画な感じがするんだよね。
だからこそ、その辺を少し教えてあげたいんだよね。

そうかぁ。
そしたらパレートの法則を教えて…からがスタートちゃうかな?

…80:20の世界の話?

そうや。

それは何を、どういう風に伝えればいいのかなぁ?
「成果の80%は20%からきてる」ってところ?

そうやな。
つまりは行動の8割は20%しか効果を発揮していないってことやろ?

…確かにそうだね。

それやったら「行動の大部分」を変えたところで、そんなに影響はないってことになるよな?

あぁ…確かにそうだね。

行動を変えることに大して、多分「不安」とか「恥ずかしい」みたいな感情を持ってると思うからのぉ…。
いきなり8割も行動を変える必要もないけど、変化を促すのにそんな感じの説明はアリやと思うで。

確かに、確かに。
分かりやすい。

あとはそうやな…。
これは自分の考えとは多少相容れないところがあるんやけど、時間的な制限とか金銭的な制限とか『何かしらの縛り』を与えてあげた方が、最近の若い子は動きやすいみたいやな。

それはちょっと感じるかも…。
「何でも自由にやって」って言ってしまうと、ちょっと動きにくそうにしてる感じはあるなぁ。

そうやろ?
だからあえて「縛り」を入れるとか「限定」するみたいなのを、上の人間が心がけたらえぇんちゃうかの?

僕も「自由」の方が仕事のやり方としては好きかも…。

自分もや。
でも、世の中が求めてるんやったら「縛り」を加えてやったらえぇ。

そうだね。

あとはそうやな…。
少し概念的な話になるんやけど「人は見たいモノしか見てへん」っていうところも説明したるのはどうかの?

見たいモノしか見ていない…。
どういう意味?

世の中には山の様に情報が溢れているから、脳みそは「必要じゃない」って思った情報を記憶しない様になってんのよ。

へぇーそうなんだ。

せやから無数にあったものにも、全然気づかないってことだってある。
例えばそうやなぁ…お前のオフィスにある「防犯カメラの場所」ってお前分かるか?結構あるはずやで?

うわぁ…全然分からないけど、確かにたくさんある様な気がするよ…。

それも普段から意識してないから、目に入ったとしても記憶から消されてまうんや。
そんな感じで人が『必要なもの』というか『見たいモノ』しかこの世を見ていないのよ。

なるほど…。
だから何か『新しい視点』を若者にも与えてあげれば、世の中の見え方が変わるかもしれないね。

今日の話も、その中の一つになればえぇがな。

そうだね。
みんなの何かに足しになれば、それだけでも十分だわ。

「頑張る」ってのはまぁ大事なことやけど…。
「何を」「どう」頑張るかっていうところも、昨今の若者には教えてやらないとあかん時代が来とるのかもしれん。

そんな時代かぁ…。

そんな時代や。
成果を出してもらうのに必要やったら、会社側がやらなあかんわけやからな。

確かにそうだね。

せっかく頑張ってくれるんやったら…。
「頑張る方向」だとか「どれくらい頑張ればいいのか」なんてのを道標として、しっかり教えてやらなあかんかもな。

まぁ…極論だけど、意味ないこと頑張っても仕方ないもんね。

そうやろ?
それもきっとある程度分かってるはずやのに、人は『やりやすいこと』をやってしまうんやな。

「やるべきこと」より「やりやすいこと」かぁ…。

頑張りを少しでも無駄にせんように、道のりを示してやるのも『今の時代の教育』なんかもな 。

分かった。
ちょっとまた色々考えてみるよ。

また何かあったら、遠慮なく聞き。

うん。ありがとう。
