

…会議ってなかなか決まらないよね。

会議?

うん。
せっかく良い提案をしているつもりなんだけれども…。
そこから具体的に進捗するって、うちの会社少ないんだよなぁ…。

まあ…そんなことはどこの会社でもあることやな。

どうしたら『自分以外の人たち』に決断してもらえるのかな?
…もっともっと良い提案をしないといけないのかなぁ?

それは…人の『決断のプロセス』をもう少し勉強すべきやな。

決断のプロセス?

そうや。

うーん…。
一体どういう意味?

人はな、物事の『本質』より『比較』で物事を見とんねん。

本質より比較?

そうや。

例えば…どういうこと?

お前の提案って、自分の中ですでに決定付けた『結論』を会議場へ持って行ってるやろ?

まぁ…そうかな?

それじゃ、あかんねん。

え、どうして?

聞き手側はな、物事を『比較』して見たいねん。

比較して見たい…?

そうや。
まあ、一言で言うと「選択肢を見比べながら…その中で安心して決めたい」みたいな感覚やな。

『選択肢の中から決めたい』かぁ…。

その選択肢を、お前が勝手に省く、削るっていう余計なことをしてしまってるわけやからな。
他の人は、会議の場で他の可能性と比べられないんよ。

え?
じゃあ自分は余計なことをしてたの?

まあお前だけじゃなく、世の中大体そういうもんや。
本質で勝負しようとすると、「一番いいものを提案したい」みたいな気持ちから『既に決定づけられた提案』をしがちや。

うん。

でも、実際には人の本質は「比較をしたい」「比較すると安心する」というところにあるのよ。
だから『あえて選択肢を提示したほうが相手は決めやすい』っていう事実があんねん。

はぁ…なるほどね。
こちらで余計なことをしてしまうよりも、選択肢を並べてその中で選んでもらう方が話が進みやすいんだ。

そういうことやな。
さらに言うと『戦略的な選択肢』を並べることが大事やな。

戦略的?

例えば、①~③の選択肢中で②番を選んで欲しいとする。
それなら意味のある①と③を並べて、②を選びやすいように考えられた選択肢を並べてやる必要があるわな。

ちょっと難しいなぁ…。

こんなんでえぇ。
松 1,800円
竹 900円
梅 650円

なにこれ?

弁当や。
「竹を売りたい」んやったらこんな感じにすればえぇ。

…そうなの?

お前やったらどれを買いそうや?
「パッ」と直感的にや。

うーん…。
まぁ『竹』かも…。

人は『選択肢の真ん中を選びがち』やねん。
真ん中に置くってだけでも、選ばれやすくなる。

そうなんだ?
まぁなんとなくわかるけど…。

『竹』が売れる様に設定出来たら…。
あとは『竹』の利益率を高める努力をすればえぇ。

あんまり意識したことなかったなぁ…。

もう少しレベルの高い話をプラスすると…。
更にそこに『時間軸』を設けてやった方がえぇで。

時間軸?

あぁ。
カコ ~ イマ ~ ミライを設定して、『起きるべき出来事』、『実際に起きた出来事』、『これからの可能性』
そんなんをしっかり並べてあげて、「今、この選択をすることがどういう意味がある?」っていう風なのも説明できるとえぇ。

うーん…。
最後のは特に難しそうだね?

せやな。
まず最初は自分の中で決定付けた提案だけじゃなくて、その提案に別の選択肢をくっつけて相手に『比較して決めてもらう』っていう風に心がける。
そんなところから始めるぐらいでえぇと思うで。

そっかぁ。
わかったよ。

『時間軸』の話は、それが上手く出来てからやな。

うん。
とりあえず『選択肢』並べてみるよ。