

それで『営業の基本的なスキル』って何なの?

まぁそう焦るなって。
お前も昔は営業してたんやろ?

いやいや、そうだけどさ。

営業のスキルの基本は「様々な場面で応用ができるスキル」やね。

それは…前もなんとなく聞いてるよ。

あぁ。
せやから、しっかりと覚えて欲しいとこやねんけど。

うん。

インパクトよく漢字でいくと…。
『独創性』と『再現性』と『共感性』やな。

…その3つが大事なの?

あぁ、そうや。
この3つをバランス良く使えるかどうかというところが、営業として仕事が出来るかってのに繋がってくるねん。

うーん…。
そうなんだ。

1つずつ説明するで?

うん。

まず『独創性』ってのは「相手が想像していなかったイメージやアイディアを伝える力」っていう風にこの場合捉えてくれ。

あー、なるほど。
すごい大切そうだね。

…そう思うか?

そりゃ相手からすると「スーパー営業マン」っていう感じじゃない?
自分のイメージだとこの『独創性』が飛び抜けている人は、どんどん売上を伸ばすみたいな感じのイメージを持つけど?

まぁ、正直それが間違ってんねんけどな。

え?そうなの?

詳しくはそこまで話さんけども…。
この『独創性』っていうのは、「ちょっとだけ持ってればえぇ」ってのが基本的な営業のスタイルやと思うとる。

…ちょっとでいいんだ?

そうや。
「相手の少し先」を読めるくらいで全然えぇねん。

少し先…かぁ。

「あまりにも突拍子もないアイディアや提案」っていうのは、「相手が受け入れるかどうか」っていうところからいくとなかなか難しいところがあるやろ?
例えばスマホの便利さを30年前に説いても、あまり浸透しないやろ?

あー、なるほど。

せやから「相手の想像の範疇を少しだけ超える」ぐらいの提案が出来るかどうかってきるいうところが、スキルの1つ目として必要なわけよ。

それは「他社だとか他人だとかと同じ様な提案じゃ響かない」ってことね。

そうや。
著しくイメージ外のことを言われると人って引いてしまうから、相手の範疇をちょっとだけ超えるって感覚で構わんねん。

そっか。
なるほどね。

次に話すのが『再現性』や。

それってどういうこと?

偶然の実績ではなくて、実績の「方法」や「手段」が他の所でも応用出来るかどうかって所が大事ってことよ。

…それは例えば「単年だけ物凄い実績が良い」よりかは、「毎年コンスタントに実績を出す」方が大事みたいな感じ?

まぁ、先ずはそんなイメージでえぇと思うで。
「偶然性に頼った営業」っていうのは一つの実績から何かを学ぶことも出来へんし、そこを応用することも出来ん。

…確かに。

だから自分のやった事にしっかりとした説明がついて、他の所でも応用できるかどうかっていうのは、結構大切なスキルやね。

なるほどね。
ただの実績っていう数字だけじゃなくて、そこに至るまでのプロセスも相当大事ってことね。

最後に一番大事なスキルは『共感性』やね。

『共感性』が一番大事なの?

実際そうやな。
結局「営業」っていう仕事は前も言ったけども、「相手との調整」がメインになるわけやから「相手のことが理解出来るかどうか」っていうのはすごく大切なことやねん。

…なるほど。

せやから「相手が何をしているのか?」「その優先順位はどうなのか?」「今この情報は必要なのか?」みたいな所を、ちゃんと察知する能力ってのはどうしても必要になってくるわ。

うーん、なるほどね。
こうやって聞いていると意外と「「独創性』よりかは『共感性』の方が大事なんだなぁ」って感じを受けているよ。

まぁ世の中にそんなに『独創性』が強い人間っていうのは多くないしな。
営業のほとんどは『共感性』でうまくやっていけるかどうかってのが決まると思うで。

そうかぁ…。
「特別なこと」をしてるんじゃなくて、「当たり前のことをする」っていうのが大事そうだね。

まぁ、そういうことやな。
だから、結局営業のスキルっていうのは「どんな仕事をしていても生きる」し、「日常的な人間関係を築く」っていう所にもすごく大切なことやねん。

うん、うん。

「営業」って言葉が毛嫌いされるっていう所はあるみたいだけれども…。
少なくともこの『独創性』『再現性』『共感性』っていうところを、しっかりと自分の中で身につけていけば、簡単に仕事で困ることはないと思うねんけどな。

うん。なんか自分もそんな気がする。
今やっている「採用」や「人事」の仕事でもすごく大切そうなことだし。

まぁ、そうやな。

最初に言ってたけれども、この3つの力っていうのはいろんなところに活きるんでしょ?

そうやな。本当にいろんな見方が出来るから、覚えておいて損はないわ。
きっとまた出てくるで。

うん、わかった。
頭の片隅じゃなくて、しっかり中心に入れておくよ。
