

…今日もなんか暗いな。

うん…。
やっぱり分かる?

…どないしたんや?

…会社で怒られてさ。

…えぇ年なのに、お前はよぅ怒られんなぁ。

まぁね…。もう慣れてきちゃったけどさ。
自分は「要領が良くない」というか、「怒られてから始まる」みたいなところがあるのかもしれない。

そう…なんか。

最近の若い世代は「要領がいい」というか…。
自分とは違うような感じを受けるなぁ。自分もそんな風になりたかったよ。

…そうか?
『要領が悪い方が成長はする』と自分は思うとるけどな?

え?そうかな?
絶対に「要領がいい」方が、出世とかもうまくいくんじゃない?

うーん…。
そうとも限らんし、そもそも『言い訳が下手な方が成長早い』と自分は知っとるで?

言い訳下手なんて…自分みたいだな。

まぁ…だろうな。
お前はとりわけ下手そうやもんな。

自分も上手くなろうとしたんだ。けど自分より口が上手い人に丸め込まれることが多くてさ…。
結局は、途中で諦めたんだよね。

あぁ…それやったらもうそれを貫いていった方がえぇで。
憧れとかはとりあえず端に置いといてな。

そうなのかなぁ。
自分にはどうもそうは思えないんだけれども…。

いや、そんなことはないで。
言い訳下手な方が確実に成長するで。

…どうしてそんなこと言い切れるの?

言い訳が下手やとな…逃げられへんねん。

逃げられない?

…思い当たる節があるやろ?

まぁまぁ…あるけどさ。

「もう言い訳が出来ない」っていう状況に追い込まれたら、もう課題や事実に向き合うしかないやろ?

「向き合うしかない」か…確かにそうだね。

中途半端に言い訳が上手だと…。
その状況から逃げられたり、向き合わなくてもよくなるっていうこともあんねん。

いや、まさにそれ。
僕が理想としていることなんだけれども?

いやいや、それじゃあかんのよ。
結局、困難から目を逸らすのは『保留』してるだけであって、どうせまたその困難っていうのは時間を経てさらに困難になって襲ってくるねん。

え?そうなの?

不思議やろ?でも人生ってそうなってんのよ。
だから「困難から逃げられへんくて向き合うしかない」お前みたいな奴って、言い訳が出来ないんよな?
だから、結果的に『困難の対処が出来る様にならざるを得ない』のよ。

…ならざるを得ないかぁ。
まぁ、確かにそうかも。

せやろ?
「出来ないで怒られる」とか、「そもそも出来ないこと」なんかから『逃げる』と結局、それが何年か後に更なる困難になって襲い掛かってくるんやから、若いうちに『逃げずに出来る様になっちまった方』がマシなんよ。

あぁ…そうか。
まぁ、でも自分もどちらかというと…そんな感じでなんとかかんとかやってきたタイプかも?

色んな理屈っちゅうのもあるけれども、結局『やらんと出来ん』のよ。
「やらない言い訳」を考えつくのは、前も言ったけど人間は天才やねん。そこから逃げないで、しっかりと向き合って出来る様になった奴ってのが一番強いのよ。

そっかぁ…。
じゃあ、一応自分は「なんとかかんとか困難に向き合ってきた」っていうことなのかな?

そもそも怒られるのが「是か非か」っていうのは、まぁもちろんあるけれどもな。
これだけは言えるのは「最終的には言い訳が下手な人間の方が成長している」っていう事実やな。

確かにこの年になっても怒られてるのは、正直恥ずかしいけどね。
まぁその分「出来ることが自分にある」っていう裏返しになるなら、それはそれで全然いいかなぁ。

そんなもんよ。
スマートにやろうとすると結局足元をすくわれるから、コツコツ泥臭くやっていくっていう必要性もこの社会ではあるっちゅうことや。
