

人事の立場だと、やっぱり「若手社員」とかからの相談が結構多いんだよねえ~。

まぁ、立場的にそういうのはあるのかもな。

でもうまく相談に乗れてるかっていうと…。
自分としては微妙なんだよねぇ…。

どういうことや?

的確なアドバイスが出来てるのかどうかっていうところなんだよね。
正直、その辺自信がないかも…。

相談には的確なアドバイスはそれほど必要ないで。

いやいや、そんなわけないじゃない?
みんな「答え」を欲してるんだから。

個人的な感覚では、全体の1割ぐらいだけやそんなもん。

そんなに低いの?
じゃあ残りは?

ぶっちゃけ6割ぐらいは『誰かに話したいだけ』や。

6割?
結構、大きいね。

まぁな。
6割はもうすでに結論が出ていて、その結論を「後押ししてもらいたい、背中を押して欲しい」っていう感じの場合が多いで。

結論が出ている?

あぁ。こっちにはあくまでも「自分の考えに対する『同意』が欲しい」って言う場合やな。
正直、お前の意見なんてどうでもええねん。

えぇ…そうなんだ。
なんか真剣に考えるのがちょっとアホらしくなってくるけど。

まぁそんなもんや。
だから、そこまで自分のアドバイスがどうこう思う必要はないと思うで。

6割と1割…。
残りの3割は?

残りの3割は『選択肢が絞れないで困っている』っていう風な話やな。

選択肢が絞れない?

そうや。
AとBとCと選択肢があって、どれかを選びたいんやけど全部は選べない…みたいな話やな。

じゃあ新卒で3つ会社に受かったけど、1社にしか行けない…みたいな感じね。

そんな感じや。

その場合は?
どうアドバイスしたらいいの?

そうやなぁ…。
『後悔は絶対にする』ってアドバイスになる。

どういうこと?

AとBとCの選択肢は全部選べんねん。
となると仮に Aを選んだとして、のちのち人って「Bにしとけば」とか「Cににしとけば」とか絶対に思うのよ。

うん、うん。

不思議よな?

不思議?なんで?

Bを選んだり、Cを選んだりしたら「Aを選んだ時より幸せ」ってどうして確信出来るのかがわからんのよ。

あー、確かに。

極論やで?
もしCの選択肢を選んでいたとして、会社が激務でうつ病になっている未来が待っているんだとしても、それは「幸せ」だったのかは自分には分からんけどな。

まぁね。
でもBを選んでいたら、めちゃくちゃ幸せだったかもよ?

そうやな。
でもそれって結局「どれを選んでいたらどうなっていたか」って分らんよな?

まあ…確かに。

でも、人は『選んでない選択肢を勝手に評価する』生き物やねん。

なるほどね。

だからさっきの話で言うと…。
3割の「どれにしたらいいんだろう?」っていう疑問に対しては「どれを選んでも必ず後悔するから、自分なりに結論を出せ」っていう後押しをしてやるのが一番やと思ってるわ。

なるほどね。
後悔は必ずするかぁ…。

まぁそういうことやから、誰かの相談に乗るときは「基本的にはただ同意が欲しい場合がほとんど」その次は「後悔はするってアドバイス」。
本当に自分の考えを整理して伝えるのは、1割ぐらいやってことを覚えといたらえぇわ。

そっかそっか…。
ちょっと自分、考えすぎてたかも?
