

いやいや…また失敗だよ。

まぁ、仕事してたら失敗なんて付きものや。
そない気にすることでもないわ。

まぁそうなんだけどねえ…。
やっぱり『他人の評価』っていうのもあるし…気にしちゃうよね。

うーん…。
まぁ…そういうところも無きにしもやけどなぁ。

なんか…ちょっと歯切れ悪いね。

人間には『承認欲求』があるから仕方ない部分もあるけども…。
でも結局、『気にしてるのはお前だけ』なんやで。

うーんと…。
どういう意味?

自分で前髪を切った女子が、その前髪を気にしてる様なもんや。

…えぇ?

いたやん?
学生時代にどうせ失敗するのに自分で前髪切って…。で、学校来るなり「失敗しちゃった!」みたいなのをみんなに自分から言うやつ。

あぁ…懐かしい。
そんなのあったねぇ。

それとお前は一緒やねん。

…そうなの?

そうなんよ。
結局、自分のこと気にしてるのは『誰よりも自分』なんよ。

まぁ、それはあるのかもしれないけど…。
逆に『自分のこと嫌い』みたいな人もいるじゃん?

「好き」とか「嫌い」っていう感情の単位は置いといて…。
『自分のことばっかり考えてる』っていう点では一緒よな?

あぁ…そうか。

そもそも『承認欲求』っていうのは…。
『自分が自分である』っていうことを認めて欲しいって話やねん。

ふむふむ。

だから『承認欲求のベクトル』は、常に『自分が自分に向けている』だけなんよ。

「他人」はどうなの?

「他人」だって「自分のこと」ばっかり見て精一杯や。

あぁ…そうか。

だから「他人」のことなんて誰も覚えてないし、意識しないと忘れてまうねん。

うーん…。
なるほど。

「髪切った」だの、「化粧を変えた」だの、「服装変えた」だのあるやんか?
あれは自分の『承認欲求』を満たすために、他人に話聞いてるだけなんよ。
根本には…そこを「否定されたくない」から、早めに先手を打っているちゅう感じやな。

確かに他人からしたら、全然違いが分からなかったりするよね…。
まぁどうでもいいというか…。

そうやで。
だからお前が最初に言った「失敗」なんて。正直なところ何日間かしたらみんな忘れてまう。
気にしてたってもったいないで。気にしてるのは「お前だけ」や。

うーん…。
そうかぁ。

今日の話の裏から見ると…。
相手のことを『ちゃんと覚えておくだけ』で、相手の『承認欲求』が満たされるわな。

覚えておくだけ?

あぁ。
『自分が大切にされている』って感じるのは、『相手に覚えてもらっている』っていう認識があるときや。

そうなんだ。

面白い話が出来なくても別にええねん。
その代わりに「ちゃんと相手の言ったことを覚えている」っていうところに注力していけば、必然と『信頼感』っていうのは上がっていくんよ。

ずいぶんと良いこと聞いたな。
それだったら、僕にも実践出来そうだ。

実践したらえぇ。
なにせほとんどの人が出来てへんことやから。

そっか…。

まぁ頑張りぃ。
