

…お前って会社でよう怒られるか?

うーん…どうかな?
あんまり怒られないかもしれないな。

そうか、そうか。

やっぱり怒られないと…よくないのかな?

…どういう意味や?

怒られるの反対って無関心でしょ?
無関心だと…上司に期待されていない気がして。

…お前にしてはずいぶんとまともなことを言うのぉ。

本当?
ありがとう。

お前の言う通りや。
『怒り』とは『期待』したから起こることなんよ。

うん。
それはなんとなくわかるよ。

もう少し細かく言うと…。
期待値との『差』が大きければ、大きいほど怒りになるわな。

そうなんだね。

例を挙げていけば、なんぼでも出てくるで。

例えばどんなの?

泣いている子供に『怒り』を覚えるのは…。
「静かにしてくれるだろう」という『期待』との差が原因やな。

ふむふむ。

だらしない彼氏に『怒り』を覚えるのは、しっかりしてくれるだろうという『期待』があるからやし…。
部下に叱責をするのは、やっぱり『期待』があるからやろうな。

そうかぁ。
やっぱり「怒られる」ってことは「期待されてる」ってことなんだ。

『全てが』というわけではないがな。

そうなの?

期待値っていうのは『相手が勝手に持つもの』であって…。
それがすべて正しいというわけではないのよ。

どういうこと?

上司の期待値が勝手に高すぎて、部下にプレッシャーになることもあるやろ?

あー確かに。

会社のルールにイライラするのは…。
「会社が自分を守ってくれる」と勝手に期待してるからなんてこともあるんちゃう?

まあ…そういうこともあるね。

…それって実際『勝手』よな?

確かに勝手と言えば、勝手だね。

だからこの『期待』とか『怒り』をコントロールすることは、結構大事なことなんよ。

コントロール?

そうや。

それって…どうやってやるの?

一言で言うと…。
『現実を正しく見る』ってことになると思うで。

正しく見る?

「期待値で勝手に上振れしないか」って視点で、冷静に物事を見るっていう感覚やな。

ふぅーん。

そもそも「期待は本当に勝手なこと」が多いからその逆でえぇ。
「色んなことが当たり前じゃない」って思うイメージでえぇ。
それでだいたい調整がつくで。

そうなんだ。

海外旅行でも行くと、よくわかるって言うけどな。

海外旅行?

そうや。
水道水が飲めるとか、屋根があって寝れるとかごくごく当たり前の事に気づかされる…そんな感覚やな。

確かに日本だと当たり前だね。

当たり前のことを当たり前じゃなくて『感謝』することができる。
そうすると『期待値はコントロール』できるように、自然になっていくと思うけどな。

そうなれたら…。
上司や部下や会社のルールなんかに、いちいち『怒り』を覚えないかもね。

そやな。
「勝手に期待して勝手に怒ってる」みたいなことしないで、しっかりと『感謝』が出来る様になるかもな。

なるほどね。
わかったよ。
