少し前の作品で、映画化もされている有名作品ですね。以前にも読んだことがあったモノを、もう一度読み返してみました。魔女の考え方…というか魔女の修行の手法は、幾つか自分にも活きそうだと言うのが正直な感想です。メンタルコントロールをしていく上で、だいぶ有効なことが書いてある様に感じました。少しスピリチュアルな部分もあるので、好みは分かれそうですが。
『魂』と『肉体』の考え方が途中に出てきますが、どちらがどちら…という書き方にはなっていません。2つで「あなた」という人間が成り立っており、特に「肉体」は神様からの借り物であるという考え方ですね。これはエピクテトスの考え方に、よく似ていると感じます。
『肉体』は『魂』にとっての役割としては『体験』のためにあるという記載があります。『体験』をする理由は、体験によって人が『成長』するからであり、成長は『魂』の本質であるということです。
私なりの理解ですと、どちらかと言うと人の本質は『魂』にあって、魂の目的は『成長』にあります。成長のためには人は『体験』が必要なので、その乗り物である『肉体』を通じて体験をするわけです。
人の生きる目的は「成長」であり、成長のためには「体験」がいる…ということですね。魔女の考え方、なかなか難しいです。
上級魔女は「外部の情報に反応しない」という戒めも、本の中にはありました。『自分』を大切にするようにという記載、いわば「自分の直感を大事に」と感じましたが、一方で「その直感や感情に支配されてもいけない」ともあります。
結局はバランス感覚であり、この辺りはしっかり自分で判断しなければいけないとは思います。本質としては「感情」の起伏を減らすことによるメリットを説いているように感じましたが、なかなかぐるーっとしてきた印象も持ちました。
過ぎた過去の「事実」を変えられないけれども、その事実の「解釈」は変えられる。どう思うかは、変えられる。感情の上下は酷く人を疲れさせるわけで、感情のコントロールは課題でありつつも、そこに意識を捉われすぎると…という結論ですかね。
主人公が「魔女」の元に行くには、学校でのいざこざがあった様なのですが、その考察に1つ鋭いモノがあります。
「誰かを敵にすれば、味方が増える」
学校や社会において、古くは戦国時代において。この考え方は人間関係の本質を突いているように思います。誰かの敵の敵は、味方にしやすい。主人公の何気ない視点なのかもしれませんが、非常に鋭いなと感じた次第です。
多くの人の読んだ感想として、こんな内容はなかったですが…。まぁ私なりにというか、私みたいな特殊なタイプの捉え方は、ベストセラーであれ切り口は変えてしまうんだなぁという考察でした。