

いやぁ~ちょっと今日はしんどかったよ…。

そうなんか?
どないしたんや?

他の部署の部長なんだけどさ…。
話に癖があって、あんまり得意じゃないんだよね。

話に癖?

うん「否定癖」と言うかな…。
話す毎に「それは違うんじゃない?」みたいな感じで、少し疲れるのさ。

「人の話をとりあえず否定」することが上司の仕事みたいに思うてるのが、現代にもやっぱりおるんやのぉ。

…やっぱり気分のいいモノではないね。

心理的安全性が担保出来んからな。否定しないことはけっこう大事なことや。
『無意識な否定』も避けていかなあかんで。

無意識の否定?
どういうこと?

たくさんあるで?『正論』『君のため』『カットイン』『興味なし』みたいにな…。
とにかく、相手がネガティブに感じたら否定と言っても過言ではないな。

ずいぶんと種類あるんだね…。
もう少し詳しく教えてよ。

まず「正論」は、事実や真実があるから強く否定する感じやな。

…それはダメなの?

「正論なんて分かってるわ」なんて時には逆効果やな。
正論は「絶望」を押し付けがちやけど、会話はなるべく「希望」を共有したいからな。

気をつけないとハマりそうだね…。

まぁな。正論を欲してない人からすれば、正論ほど厄介なモノは無いからな。
正論の先には、夢も希望も多いことがほとんどやし。

「君のため」ってのは?

「良かれと思って」みたいな親切的な姿勢で、自分の意見を押し付けんねん。
親切にかこつければ、何を言うてもえぇ訳ちゃうのにな。

なるほどね…。
カットインはそのままかな?話を遮って自分の話をする感じ?

そうや。
犬でも出来るのに「待て」が出来んのよな。

「興味なし」はまぁ…。
話してるのにスマホ眺められたりしたら、やっぱり否定されてる気になるね。

否定の多い人は「自分が正しい」と思い込み過ぎてる節が多い。
正義や真実はその人その人はもちろん、時と場合でも変わったりするのにな。

絶対の真実って、そうそう無いもんね。
あくまでも、自分の中の正解ってことね。

せやから、互いの考え方を先ずしっかり知って尊重すること。
そして「違い」をそのまま理解することは大切やな。

なるほどねぇ。
確かにあの部長の考えとはだいぶ違いそう…。

他にも『他人への過剰な期待』も「否定」に繋がりやすいわな。

…「期待」が「否定」に繋がるの?

「この位は出来るやろ」が出来へんと、その人自身の否定になんねん。
よくあるやろ?ただ、相手を否定してもそのあと成果が上がりやすいなんてことは、そうそうないのよ。

そうかぁ…。
否定癖のある人は、どういう所に気をつければ良いのかなぁ?

「~かもしれない」の視点やろな。

「自分が正しい」じゃなくて「自分が間違っているかもしれない」の視点?

あぁ。
他にも「相手が正しいのかもしれない」も同じことが言えんな。

…すごく基本的なことだねぇ。

ま、その基本が出来てない人が多いのよな。
他にも『承認』を癖付けするってことも大事なことやな。

「承認」かぁ…。

否定も肯定もせずに、相手の言葉を復唱するだけでえぇ。
そうすれば、少なくともいきなり相手を否定することは避けられるからな。

それは、誰でも簡単に始められそうだね。

否定癖は治すのに、結構時間掛かるからな。
先ずは始めやすい「承認」スタートでえぇと思うで。

例えばさ、話してて「相手を否定してしまった」みたいに感じることってあるじゃない?

まぁな。

その時って、どうカバーすれば良いかなぁ?

そうやなぁ…。
会話の最後を「もし否定しているように聞こえたら、申し訳ない」みたいに締めたらえぇんちゃう?

なるほど…。

少なくとも会話の最中に否定に気付いたんなら、ひとまずOKや。
少しずつ修正出来る様にしていけばえぇ。

そっか。わかったよ。
自分も気をつけないと。

否定されて嬉しい人ってのは、少ないからな。
否定をせずに相手の考えを修正出来る様になれば、かなり上級者やと思うで。

よし!頑張るよ!

うむうむ。
