

僕の友人が起業したんだけどさ…。

ほぅ。
まぁ、最近では珍しくないかもな。

メチャクチャ大変そうで…。
アドバイスを求められているんだよね。

まぁ…お前からのアドバイスは置いておいて、話を聞いてやってもえぇんちゃう?

友人曰く「会社員がしんど過ぎ、会社員は不幸、自由に仕事がしたい」みたいな感じで、独立したんだって。

ふむふむ。

自分でビジネスをする上で、当然イロイロ勉強もしたみたいなんだけど…。

何ヶ月かやってみて、上手くいってないと。

そうなんだよね…。
仕事はそれなりに出来る友人だったんだけど。

ふぅーむ。
で、お前はどうアドバイスしたんや?

以前にTOMOからも聞いた話も織り交ぜながら、とりあえず友人のやる気はある程度回復させられたとは思うよ。

おぉ、凄いやん。

でもビジネスを自分で始めるって、自分にはなかなかイメージできなくてね…。
そこまで具体的な話をしてあげられなかった気がするんだよね。

まぁ、自分で起業していない人と、実際に起業している人では説得力も違うしな。

ちなみにTOMOは起業は…?

しとらんわ。

あーそうなんだ。

んでもやっぱり仕事柄か、お前の友人みたいな相談は受けるで。
結構ポイントずれてる人も多いんよな。

そうなんだ。
参考までに教えてよ。

ざっくりと3つやな。
『天才じゃなくても事業は成り立つ』『市場原理を理解する』『自分の幸せにも関心を持つ』って感じやな。

ふむふむ。

先ずは『天才じゃなくても事業は成り立つ』やけど、お前の友達は仕事が出来る奴やったんよな?

僕の聞く限りでは、結構バリバリやってたみたい。
でも「このままじゃ幸せは頭打ちでいずれ不幸になる~」みたいなこと言ってたなぁ。多分…お金関係じゃないかな?

なるほどな。
まぁわりとバリバリ仕事出来た人が、独立して最初に感じるのは「会社の看板で仕事をしてた」ってことやろな。

それは友人も言ってたよ。
「大企業にいたからこその人脈もあったんだなぁ」って。

特別なスキルを持つ人が事業を成功させるんやないし、会社の看板が外れてからどうなるかは人それぞれやな。

「こんなイメージじゃなかった…」ってうなだれてたよ。

うなだれても現実は変わらんからな…。
多分少し自分を過大評価してたんやろな。隣の芝生は青く見えるしな。

かもねぇ…。

自分を過大評価して、現実とのギャップを感じると身動きが取れんくなる。
動くのが怖くなるんや。その怖さに打ち勝って動き続けることが大事なんやけどな。

なるほどね…。
等身大の自分や現実を受け入れて、ちゃんと『行動』しないといけないってことかぁ…。

そういうことや。
んでもそれなりに勉強してから起業したんやろ?そんなに売上の目処とかが立たんのか?

ITエンジニアだったから、サービス的には「凄そうだなぁ…」って話を聞いて感じたよ。
意気込みとしても「いずれ世界中の人に認められて、ナンバーワンになりたい!」って言ってたし、モチベーションはしっかりあると思う。

モチベーションが高いのはえぇことなんやけど、現実とのギャップがでか過ぎるんやろな…。
地に足の着いた所からスタートせなあかんわ。志は素晴らしいとは思うんやけどな。

次に会う時に、僕はどうアドバイスしたらイイかなぁ?

「目の前の1人」の期待に応えるっていう大切さをアドバイスしたらえぇ。

彼は「多くの人にサービスを届けたい」って言ってたけど…。

市場原理としては、自分はスモールスタートが大切やと思うとる。
たくさんの人にサービスを届けなくてもえぇし、全員から認められる必要もない。さらに言うと『差別化』すら必要ないわ。

…そうなの?イメージとは反対だなぁ。
事業の上で『差別化』なんて一番大事そうだけど…。

大事かどうかで言えば『差別化』は大事や。
でも今すべきはたくさんの人達にサービスを発信することよりも、目の前にいる顧客の期待に応えることや。顧客はいるんやろ?

うん。何人かいるみたいだね。
ただ「見込み客が少ないのが…」って言ってたから、少ないことが不安なのも。

先ずは考えを真逆にして『目の前の一人』のニーズに応えることが大事や。
数打ちゃ当たる精神で前職やってたのかもしれんけどな。それを繰り返すことで見えてくるものもあるねん。

そっかぁ…。
友人はステップを踏んでいく中で、ちょっと焦りすぎてしまってたのかもしれないなぁ…。

まぁ挫折も織り込み済みやったとは思うけど、理想との現実とのギャップに今は少し戸惑っているのかもしれんな。
うまくいくとえぇのぉ。

そうだね。
今週末にでも、僕から彼を誘ってみるよ。
